コラム

コンプライアンスとは|働きがいのある組織づくりに向けて

あなたはコンプライアンスについて、どの程度意識をしてマネジメントしていますか?

「法律には触れていないから大丈夫」「大きな問題にはならないから大丈夫」という甘い意識が、思いもよらない問題になることもあります。

今回は、組織のマネジメントに視点を置き、マネジャーが意識すべきコンプライアンスについてまとめます。


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法令遵守だけではないコンプライアンスの広がり

コンプライアンスとは、企業が法律や規範等の基本的ルールを守って活動することを指します。

様々な企業の不祥事を背景に、企業は厳格なコンプライアンスを求められるようになり、今日では、自主的、積極的にコンプライアンスに取り組む企業が増えました。

こうした背景から、本来コンプライアンスが持つ「法令遵守」以上の意味を含むようになっています。

法令の遵守はもちろんのこと、社内の規定や規則の遵守、さらには、社会規範(倫理や道徳)、企業倫理(企業理念やCSR)なども含めた広い概念です。



SNSの広がりもあり、自身の不用意な発言や行動が、思いもよらぬ形で炎上したり、非難を浴びるという事例も増えています。

社会の目も厳しくなっているため、これまでは大丈夫だった、法律には触れていないという意識で看過していたグレーゾーンがある場合は、早期に見直しが必要です。

チーム運営におけるコンプライアンス意識の重要性

チーム運営におけるコンプライアンス意識は、不祥事や問題を防ぐだけでなく、メンバーの働きがいにも影響します。

「働きがいのある会社」ランキングを発表しているGreat Place to Work Institute Japan(GPTWジャパン)では、働きがいの要素として「信頼」があり、リーダーへの“信用”、従業員の“尊重”や“公正”な扱い、そして仕事への“誇り”と仲間との“連帯感”の5つが重要としています。

コンプライアンス意識の欠如は、メンバーからの信用を低下させたり、仕事への誇りが持てなくなったりと、働きがいを低下させる要因になります。

メンバーと信頼を築き、誇りをもって仕事に取り組んでもらうためにも、コンプライアンスを守る意識は軽視できないと言えるでしょう。


マネジャーは、チームメンバーがコンプライアンスを遵守することを求められますが、他人の言動をコントロールするのは、自分の行動をコントロールする何倍も難しいことです。

コンプライアンスの概念も多岐に広がっているため、1つ1つこれはOK、これはNGと説明するのは難しいです。

そのため、本質を理解し、メンバーが正しく判断して行動できるような意識づけすることが重要です。


コンプライアンス違反が起きるのは、会社のため、組織のため、個人のためなど、利己的な思考が背景にあることが多いです。

「顧客志向」「プロフェッショナリズム」「誠実」などを企業理念にしている企業も多いですが、これらに照らして、「それは顧客のためか?」「プロの仕事か?」「誠実な対応か?」と利他的な視点で判断するようにしてみてください。

組織内でこのような問いかけがされていれば、メンバーもコンプライアンスを意識して正しく判断できるようになってきます。


また、マネジャー自らがルールを守ることも非常に大事です。

役職があがれば、使える予算枠も増え、裁量や影響力も大きくなります。

たとえば、明らかに社内の飲み会なのに領収書をもらう姿を部下が目にしたら、それなら自分もと思ってしまいます。

小さいことかもしれませんが、日頃からマネジャー自身がルールを守っている姿を見せることが何より重要です。

マネジャーが気をつけたいコンプライアンスのポイント

以下では、マネジメントをする中で陥りがちなコンプライアンスの問題についてご紹介します。

何気なく、むしろ良かれと思ってやっていることが、リスクを孕んでいる可能性があります。


① いきすぎた成果主義/高い業績責任

「成果を出せば多少のルール違反は構わない」という考え方で、これは営業組織に起こりがちです。

東芝の不正会計騒動で話題になった「チャレンジ」も、この考え方の弊害の1つです。

マネジャーから明確な指示をしているわけではなくても、高すぎる目標(ノルマ)を設定していたり、成果に応じて給与が変動する場合は、相対的にコンプライアンス意識が下がってしまいます。

問題が起きた際に責任を追及されるのはマネジャーなので、自分の身を守るためにも、ルールをきちんと守った上で目標達成できるように導くことが大切です。


② 安全配慮義務を意識した正しい労務管理

残業が多い、休みが取りづらいという状況も、放置をしていると問題になる可能性があります。

労働契約法では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」という安全配慮義務を定めており、「生命、身体などの安全」には、心(メンタル)の安全や健康も含まれるとされています。

また、2019年から施行された働き方改革法案では、有給消化5日未満の従業員に対して、会社が取得するべき日を指定することが義務付けられています。

人手不足や採用が難航しているなど、マネジャーだけが原因ではないかもしれませんが、上司が休まないから休みづらいといった原因もあります。

いずれにしても、36協定を超えた残業過多や、休日出勤の常態化、有休が取得できない状態があるならば、部長や会社を巻き込み早期に改善策を検討しましょう。


③ パワハラリスクの高まり

2020年6月に「パワハラ防止法」が施行となり、これまで以上にパワハラを指摘されるリスクが高まっています。

パワハラは完全にマネジャー個人に起因する問題であり、自身の行動を見直せば改善できるものです。

セクハラも同様ですが、相手の受け取り方がポイントになるため、疑わしい言動は見直すのが賢明です。

役職のパワーを使ってメンバーを動かすのではなく、メンバー自らが動きたくなる気持ちを起こさせるのが正しいマネジャーの影響力です。

詳しくは、以下のコラムでまとめているので参考にしてみてください。

▶ マネジャーの影響力とは?|部下や関係者の協力を得てチームを成功に導く方法

いかがでしたでしょうか?

コンプライアンスは、法令遵守の枠を越え、社会規範や企業倫理など広い概念として社会的責任を問われるようになっています。

コンプライアンス意識の欠如は、企業やマネジャーのリスクになるだけでなく、組織運営においてはメンバーの働きがいにも悪影響です。

会社の問題、大きな問題にはならないと軽視することなく、大きな問題になる前に自身の言動を見直してみてください。

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